これからの訪問看護

住み慣れた場所でのターミナルケアを望む方が地域で暮らし続けられるように

訪問看護ステーションの数は、平成24年頃より増加傾向にあります。しかし、実はまだまだ地域によっては偏りも多く、ステーションに在籍する看護師は多くないので訪問看護師数も十分とは言えません。 実状としては在宅療養生活を送るための訪問看護サービスのニーズは高まっており、需要に応えきれなくなりつつもあります。

近年、在宅ケアの希望される方、また必要とされる方は急増し、対象者も重度化、多様化、複雑化してきています。がん末期患者や人工呼吸器の装着者、 チューブ類を使用して生活する人など、医療ニーズ の高い利用者が訪問看護サービスを必要としています。また、障がいのある小児や精神障がいがある在宅生活者、認知症の人など多様化してきていることも最近の特徴でもあります。家庭環境に関しては一人暮らしや高齢者世帯、老老介護、認認介護など家族介護の不安要素も多くなり、複雑化した問題を有する利用者が少なくない状況です。

訪問看護に求められる要素は様々ではありますが、その中でも特に重要な課題は、日本全国どこでも24時間365日、いつでも必要な質の高い訪問看護サービスを届ける仕組みをつくることです。そのために、 2025年に向かって訪問看護事業所の目指すべき方向の一つは、多機能化・大規模化です。そのような姿を2025年に向けて多職種とともに在宅で療養する人が必要な介護サービス、生活支援サービスを一体として届けられる仕組みづくりに向かって努力する必要があります。1992年に、在宅療養している高齢者の自宅に医師の指示のもとに看護師が訪問できるという訪問看護事業がスタートしてから23年が経過しました。今後、医療ニーズが高い方や住み慣れた場所でのターミナルケアを望む方が地域で暮らし続けられるようにする必要があります。

訪問看護はなにするの?

かかりつけの主治医と連絡をとり、心身の状態に応じて以下のようなケアを訪問先にて行います。

健康状態の観察と助言
  • 健康のチェックと助言(血圧・体温・呼吸・脈拍)
  • 特別な病状の観察と助言
  • 心の健康チェックと助言(趣味・生きがい・隣人とのつながりなど)
日常生活の看護
  • ・清潔のケア
  • ・食生活のケア
  • ・排泄のケア
  • ・療養環境の整備
  • ・寝たきり予防のためのケア
  • ・コミュニケーションの援助
在宅リハビリテーション看護
  • ・体位交換、関節などの運動や動かし方の指導
  • ・日常生活動作の訓練(食事・排泄・移動・入浴・歩行など)
  • ・福祉用具(ベッド・ポータブルトイレ・補聴器・車椅子・食器など)の利用相談
  • ・生活の自立・社会復帰への支援
精神・心理的な看護
  • ・不安な精神・心理状態のケア
  • ・生活リズムの調整
  • ・社会生活への復帰援助
  • ・療養環境の整備
  • ・事故防止のケア
  • ・服薬のケア
  • ・リラックスのためのケア
認知症の看護
  • ・認知症状に対する看護・介護相談
  • ・生活リズムの調整
  • ・社会生活への復帰援助
  • ・コミュニケーションの援助
  • ・事故防止のケア
検査・治療促進のための看護
  • ・病気への看護と療養生活の相談
  • ・床ずれ・その他創部の処置
  • ・医療機器や器具使用者のケア
  • ・服薬指導・管理
  • ・その他、主治医の指示による処置・検査
療養環境改善のアドバイス
  • ・住宅改修の相談
  • ・療養環境の整備
  • ・福祉用具導入のアドバイス
介護者の相談
  • ・介護負担に関する相談
  • ・健康管理、日常生活に関する相談
  • ・精神的支援
  • ・患者会、家族会、相談窓口の紹介
様々な在宅ケアサービス(社会資源)の使い方相談
  • ・自治体の在宅サービスや保健・福祉サービス紹介
  • ・民間や関連機関の在宅ケアサービス紹介
  • ・ボランティアサービス紹介
  • ・各種サービス提供機関との連絡・調整
  • ・その他、保健・医療・福祉の資源紹介など
終末期の看護
  • ・痛みのコントロール
  • ・療養生活の援助
  • ・療養環境の調整
  • ・看取りの体制への相談・アドバイス
  • ・本人・家族の精神的支援

入退院についてのご相談や、必要に応じ他の様々なサービスをご紹介したり、関連機関と綿密な連携をとり、利用者が安心して豊かな療養生活を送れるための様々な支援や調整をいたします。

訪問看護師の思い

訪問看護師は、より快適で安全な生活ができるように支える頼れる身近なパートナー

最期の時間や残りの時間を住み慣れた環境で迎えたい迎えさせてあげたいというご希望があれば訪問看護師の出番です。家族との会話、見慣れた景色、落ち着いた香りなど”自分のいつもの場所”は生活の中での安心感や、充実につながると生きる糧にもなります。訪問看護師は、より快適で安全な生活ができるように支える頼れる身近なパートナーです。