今野恵

作業療法士

もともと作業療法士として老年期施設でずっと働いてきました。利用者様は2グルーブあり、一つ目は通院してくる人たち。 二つ目はなかなか自宅へ帰れない人たちのグループです。どちらも日常の生活が円滑になればいいなと思って・・・・作業療法士に従事してきました。

介護保険料徴収がスタートした2001年!

手先の作業の方が得意かなと思い作業療法士を選びました
バブル以降に生まれて、中学生の頃はニュースを見ていて自分でも世の中が不景気だとわかるようになっていました。高校生になり進学を考える時に両親から”手に職をつけなさい” “安定した職がいいわよ”と言われていました。そして全国どこに行っても働ける、しかも夜勤はしたくないなどと思っていました。 テレビドラマ(2004年放映のオレンジデイズ)でも”リハビリ”が取り上げられていましたね。妻夫木聡がリハビリのアルバイトをしていて、柴咲コウが耳の聞こえない役で、ふたりが一緒に歩くのは規則違反なのにテレビドラマでは現実とは離れた放映内容でした。今でもリハビリという言葉から、「介護」を連想される方が多いようです。 リハビリは、作業をやりながら能力をつけていく作業療法と筋力を強くして歩行を安定させる為の運動をやっていく理学療法があります。自分は手先の作業が得意なので、作業療法士を選びました。

訪問看護に携わってまだ日が浅いのですが

訪問看護は、利用者様のモチベーションを高めることが大事
利用者様も家族の方もいい人たちばかりです。 在宅の環境では困っていることがよく見えてきます。病院や施設で出来ても、在宅では環境が違うので出来ないことがあり、困っている方がたくさんいらっしゃいます。この環境の違いという境をなくす工夫をすることで、利用者様が同じように出来るようになってもらいたいと思います。 利用者様には、もういいやと直ぐに諦めてしまう方と諦め切れない方がいます。投げ出してしまう人も困るし、逆に諦められない人は頑張りすぎて無理をしてしまうので、両方とも対応の難しさを感じています。 ご家族の方もいろんな方がいらっしゃいますので、密に連絡をとり合える努力をして、お悩みをお聞きしながらご本人様を説得できる方法はないかと一生懸命考えています。経験も浅いですし、全てのことが上手く行くとは思ってないのですが、少しでもお役に立てるように頑張っています。 訪問看護リハビリは、利用者様のモチベーションを高めることが大事だと感じる毎日です。

作業療法士は何をやる人?

私の方から困ったことがあるか聞いてあげたい
体を動かせない人には、歩けるようにしたいので自主トレしてもらわないといけないのですが、面倒くさくなってしまうようで、やって下さらない利用者様が多いです。外出する機会がないので、体を動かすリハビリをします。リハビリも大切ですが、利用者様や家族と話すことが最も大事だと感じます。
利用者様は、日中おひとりの方、ご夫婦で過ごしている方、有料ホームに入居している方など様々です。施設勤務の時よりも訪問するようになり、見えない部分が見えるようになり解消された部分もありますが、それでも1日の中でほんの1時間見ているだけなので、他の時間をどう過ごされているのか、 看護師、主治医、ケアマネ、ご家族の方の情報をノートに書き残して情報共有するようにしています。 利用者様やご家族から悩みを訴えられるより、私の方から困ったことがあるか聞いてあげたい。今は、いい人ばかりなので何かと受身でいて下さり、どちらかと言うと私の方が「お願いします」と主導権が握っているという雰囲気でやっています。これからは、もっともっといい関係を築いていきたいです。

訪問看護のいいところは・・・・

切り替えが出来る
移動時間があるので、切り替えが出来ることです。病院勤務は、1日ずっと病院の中にいないといけませんでしたが、移動時間があるのはかえって気分転換になります。結構、電車に乗るのが好きな方なので、次の訪問先を考えながらボッーとしていて乗り過ごしたこともありました。(笑) たいていは、電車に乗っているあいだは景色を眺めてホッとするリラックスタイムです。

在宅には自由がある

どう対応するのかをひとりひとりについて考えています
実は、施設は経験がありますが、病院の経験はありません。病院では限られた期間で退院してもらわないといけないので、発症してから急激に回復されたりするのですが、その回復期の経験がありません。病院で処置し終わった人しか見たことがないのです。 退院後、リハビリをするのは更に能力を高めたいと言う人が多いですね。機能的に回復していく訳ですが、その人がやりたいことが出来るようになるのが一番嬉しいことだと思います。それにどう対応するのかをひとりひとりについて考えています。病院よりも自由に出来ることも増えるので、環境が変わってマイナスなことだけではなく、より良く出来る方法もあると思っています。 例えば、その人の好きなお皿に変えてみるとか、椅子の位置を少しだけ変えるとか、テーブルの高さを少し変えるなど、少しの工夫で心地よく過ごして頂く方法があります。 ご家族からは、歩ければいいんです! と言われますが、ご本人様はそれ以外にやりたいことがあることもあります。両者の気持ちを汲み取って進めるように努力しています。

もどかしさを時に感じることも

地道で地味なことをコツコツと
利用者様が出来るようになるまで時間がかかり一瞬何も進まないように感じてしまう”もどかしさ”、その”もどかしさ”が伝わってくる時が一番つらいですね。 ダイエットと同じで終わりがない。病気になってもならなくても、健康を維持することって本当に難しい。病気になったから頑張る訳ではないのです。どんな時も自分の体がよくなるようにするには、地道で地味なことをコツコツと積み重ねていくしかないのです。そうして習慣化することは簡単なようでなかなか出来ないし、病気になったからって、なかなかやらない・・・そんな人たちの為に救世主になれたら・・・なれるといいですね!

リハビリから学んだ大切なこと

自分が教える方なのに教えてもらうことが沢山あります
リハビリ以外にもやってみたいと思ったりしますが、リハビリの仕事をしていると常に自分の初心に戻れるような気がします。 いろいろな方と接して来て、自分が教える方なのに教えてもらうことが沢山あります。もし、将来違う仕事をやる事になったとしても併用してでもリハビリの仕事を続けたいと思っています。 あるいはリハビリの仕事をしていなかったとしても今まで関わってきた人たちから教えていただいたこと、それぞれの考え方など忘れないでいたいと思っています。 私からすると人生の先輩方なので、いろいろなことを教えて下さいました。 例えば、春夏秋冬の四季をものすごく感じ取って暮らしていらっしゃる方がいます。現代人は、一年中同じ調子で過ぎて行くイメージがあります。田舎で仕事していたせいもかもしれませんが、季節の行事にどう意味を持ってやっているか学ぶことが出来て、この時期だからこの花が咲いて、季節の花を愛でる意味を知りました。リハビリとは関係ないことかと思うかもしれませんが、そういう時やっていてよかったと思えました。
認知症の方と接した時、季節感がわからなくなり忘れてしまったりするのですが、でも、その行事の話をすると普段は全然話されないのに、突然話し始められたことがあります。その行事に歌う歌を一緒に歌い始めたりしてくれるので、あ~覚えていらっしゃるのだなと感動しました。 その歌をずっと繰り返された時はちょっと辛かったですが・・・(笑) でも、三つ子の魂ではないですが、その人に深く根付いていつまでも覚えていらっしゃるんだなと胸が熱くなりました。
そのようなことがきっかけになり、地域によって違う行事に興味を持つようになりました。春の七草は知っていましたが、秋の七草があるのは知らなくて、都内で採取できる七草を真面目に探して、利用者様に届けたりしました。写真で見てもらうより、実際の植物を五感で感じてもらいたかったのです。 本当にいろんなことを教えてもらうのが楽しいです。

訪問看護のすすめ・・・・・

縁の下の力持ち
病院に勤務している理学療法士の方は多いと思いますが、病院だと次の業務に追われて、退院した先のことはなかなか見ることが出来ません。そんな人たちをケアしてあげられるし、急性期のようには変化がないように思えるかもしれませんが、少しずつ変化はあります。在宅でどんどん良くなる人もいるし、たまには悪くなる人もいますけれど、その人その人に合わせて違う方法を一緒に考えてあげられる 、 今は訪問看護の仕事をしていることに働きがいを感じています。
この仕事をしていて、急によくなって頂こうという欲はあまりありません。むしろ、リハビリをやるかやらないかは本人次第です。私がいたから回復したと言うよりは、ご自身がやったからよくなったという言い方がベストです。自分がやったと言うことで自信になるし、そうでないとその先も続かなくなるからです。私は縁の下の力持ち、そんな人になりたいです。岩手県出身です。宮沢賢治の雨ニモ負ケズと同じ気持ちです。(笑)力まない、急がない、焦らない、すく゛に結果を求めると空回りすることもあるので、長い目で健康状態を維持するのと同じように病気の状態を維持していくようにします。 メタボにならないように運動するのと同じです。リハビリの継続もやっている事は同じだと思います。そして、どちらも自分が頑張らないと結果は出てこない。毎日、利用者様から多くを学んでいます。