上倉徹

理学療法士

小学校の頃、足の病気で2年間ほど理学療法士の方にお世話になっていたことがありました。理学療法士の仕事をいいなぁ、すごいなぁという気持ちは漠然と持っていたのですが、興味を持っていながらも何となく進めない、というか自分はそこに行きたいという気持ちを押さえ込んでいた時期がありました。

子供時代に出会った理学療法士

小学校の頃、理学療法士の方にお世話になっていた
私は大学卒業後に社会人を経験しています。工学部の大学を出ていますが、当時は、これといってしたい仕事が見つかっていなくて、アルバイトで生活をしていた時期が1~2年ありました。 小学校の頃、足の病気で2年間ほど理学療法士の方にお世話になっていたことがありました。理学療法士の仕事をいいなぁ、すごいなぁという気持ちは漠然と持っていたのですが、自分に理学療法士が務まる能力があるとは思えず、興味を持っていながらも何となく進めない、というか自分はそこに行きたいという気持ちを押さえ込んでいた時期がありました。

少し違った視点を持った理学療法士になりたい

高齢の方と関わる仕事をしようと決意
卒業後、医療のことに少し興味を持っていながら、大学も卒業してしまった時期でどうしていけばいいのか分からなくなっていました。就職することが出来そうなので、先ずはホームヘルパーの資格を取りました。
しかし自分としては生活に密着した領域だけでなく、もう少し医療的なことに踏み込んだ仕事もしたくなり、勉強したいと思うようになりました。アルバイトをしながら、信州大学の理学療法学科を社会人枠で挑戦しました。思った以上に試験に合格するのは大変で、何度か挑戦しましたがなかなか合格出来ません。狭き門で最終面接までは行くのですが、最後の難関がクリアできず、悶々としていました。
ちょうど石川県の七尾市に新しくリハビリの専門学校ができるという情報があったので「これでだめだったらあきらめよう」という気持ちで受けたら、もう面接の時点であなた合格ですという話になり(笑)、ここから理学療法士の道を進むこととなりました。
専門学校の半数の人は社会人を経験した人で、その志の高い人が多い中でどうゆうポジションで働きたいかというのがだんだんと決まっていきました。自分は少し違った視点を持った理学療法士になりたいと漠然と思うようになりました。理学療法士をベースにしながら、ホームヘルパーという仕事も好きだったので、高齢の方と関わる仕事をしようと決意しました。

訪問看護リハビリステーションとの出会い

家族と利用者様と、対自分という関係性をもっと深めていきたい
資格取得後、老人の介護保険施設に就職し、そこで入所と通所を経験しました。そこでは訪問もあったのですが、訪問を任されたのは一年ちょっとと短く物足りなく感じました。ご家族と利用者様と、対自分という関係性をもっと深めていきたい、突き詰めていきたい、という気持ちを強く持つようになりました。 ちょうどタイミングにも恵まれ、リハ併設の訪問看護ステーションと出会い、迷わず道に訪問看護の道に進みました。実際の職場にも意欲的に働くスタッフが沢山いてすごく刺激を受けたこともあり、めぐり合わせの中で決まっていったように思います。

訪問看護リハビリステーションで働くということ

いろんな得意分野を持ったスタッフがいる
訪問看護リハビリステーションで働いた感想は、スタッフの間の距離感がけっこう近いことが一番でしょうか。(笑)。 訪問看護はいろんな得意分野を持ったスタッフがいるので、ステーションに集まってきたときに、最新の情報が聞けたりとか、その中でいろんな共通点を見つけることが出来たりとか、逆に看護のほうから見た視点とか目線の違いが見えたりすることですごく勉強になることが多いと感じています。 訪問看護の中で働くと、違う医療系スタッフがいるので安心感もありますし、また、違うスタッフが関わることで、気付かなかった利用者様の魅力や印象などが伝わってくることも多々あります。そういう面でもすごく面白くて働きやすいフィールドだと思います。

在宅の難しさとおもしろさ

利用者様のお家に入れさせていただくという気持ちが大切
どうしても生活の中に踏み込んでいくので、利用者さんのプライベートな部分とか、根本の部分が見えてしまうというか、やはりそこが難しいところだと感じています。
病院だとこっちが上というか、自分の陣地で仕事が出来るというところがあると思うのですが、逆にそれが今度は利用者様の家にお伺いするという立場になります。その違いを自分の中でうまく意識できてないと、トラブルの元になるし、家の中のルールとか生活様式を理解して受け止めておかないと、勝手な振る舞いをしたばっかりに訪問がうまくいかなかたりすることもあります。 自分のポジションをしっかり認識した上で、利用者様のお家に入れさせていただくという気持ちが大切だと思います。難しいところですね。特に病院と在宅ではここが全くの逆になるので、これがうまく訪問をするひとつの重要なポイントなんじゃないかなと思っています。それが難しさでもあり、おもしろさでもあるというか、そこがしっかりクリアできてればこそ、深い関係を持って継続的に良いサービスを行えるのだろうと感じています。

利用者様の評価基準

新しく情報を更新していく必要性がある
最近では、インターネットを使える世代の方が利用者様の中でも増えてこられて、良い面と悪い面があります。他の事業所はこんなことをしているとか、明確に情報を得られるようになってきていると感じています。 以前はそういうことを言われることはありませんでした。比較対象がないので様々なことを「こんなものなのか」と思って頂けて終わらせられたことも結構ありました。今はたくさんの比較が出来る状態で、情報を利用者様側が入手しやすい状況になっている分、訪問看護の位置づけを明確に打ち出せているところが強くなっていくだろうなとイメージがあります。 私たちも日常のこととか医療技術のこととかリハビリに対してとか、新しく情報を更新していく必要性があると感じています。その意味で、訪問看護の全体のレベルも今すごく上がってきているように感じていますし、これからもそういった動きは大きくなっていくのではないかと思います。

理学療法士として感動した瞬間

「あっ、気持ちが変わると体の動きも変わってくるんだな」
初回の訪問導入時には、拒否といいますか、訪問看護に抵抗がすごく強い方がいらっしゃって、根気よく体の状態を説明しながら、リハビリをやる意義について時間をかけながら理解していただきます。
少しずつ関係性が良くなっていった方がいるのですが、そこには「自分の思いを他の人は受け入れてくれない」という利用者様が心を閉ざされているようなところに原因がありました。
その疎外感というか、そういう気持ちを持ってらっしゃった方が変わっていく瞬間というか、提案したことがその方にすっと入っていって、入った瞬間にその方の機能が上がっていくという瞬間を実感できたときがあって、そのときはすごく感動しました。「あっ、気持ちが変わると体の動きも変わってくるんだな」と思ったのを今でも覚えています。その方のリハは今も続けているのですが、昔は起き上がって座ることさえもままならないという状態だったのに、今はセッティングだけするとその方は自身で座って、ベッドから車椅子に移ることができるようになるくらいまで機能が向上しています。機能が上がると、次は希望を持って「こんなことがしたい」と利用者さんの口から出るようになります。そういう経験は今でも自分にとって大切な財産で、印象に残っています。 変われるきっかけを作れる。そこまで言うとおこがましいかもしれないですけど、そのお手伝いが出来たときすごく訪問をして良かったなと感じます。

未経験者の方へのメッセージ

思い切って一歩踏み出せば
利用者様目線で在宅での生活をより一層安心安全面でカバーできる。在宅はそこに一番近いフィールドだと思いますので、そういうことにご興味のある方は迷わず進んでいってほしいと思います。自分にそこまでやってみたいと思う意思があればぜひ飛び込んできてほしいと思います。やってみて気づくことって沢山ありますので。(笑) スキルとか知識の心配もありますが、そこは思い切って一歩踏み出せば変われるところもあるのではないかと思います。お待ちしています!